05.04.
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09.04.
メタルに置き換え
ギアボックスもそれなりの重量があるので、こちらもアルミ板で作り直し、また、エンジンフレームとの間の調整ネジも実際に調整できるようにした。
問題なのがメッキのタンクだ。メタルをキャスティングする技術がないため、塗装するしかないと考えていたが、デカールも貼らなくてはならないし、何といってもメッキの感じが塗装では全く出せない。これが鬼門となって作りたくてもこのキットに手が出せなかったと言っても過言ではない。
ところが、前回作ったVincentで部品の多くを他の金属に置き換えたことで沢山のホワイトメタルパーツが残っていることを思い出した。それらをハンダごてで溶接しながらタンクは作れないものか??
まずは実験!熱を冷まさないように次から次へとパーツを溶かしては盛り上げていく。気がつけば15時間。ホワイトメタルのタンクが完成した。残念なのは実験と思って始めたものが調子が良かったため一気に作ってしまい、制作過程を写真に撮り忘れていたこと。まぁ、仕方ない。内側の写真を見ると、メタルをぐちゃぐちゃと溶かして成形した痕跡が分かる。
次にエキパイを直径5mmのアルミ棒を手曲げで作る。
以前は、ペンチの端を丸く削ったものに挟んで強引に曲げていたが、今回はミニバイスを使用してみた。曲げる方向を定めるのが難しいが力はそれほど必要ないし微調整も楽だった。綺麗な仕上がりにならなくてもよいサンプルを作り、だいたいの角度や調整が必要な部分を確認してから、もう1つを丁寧に作る。
エキパイできたので、今度はマフラー部分を旋盤で削りだす。
なかなかよいぞ!と思って仮組みしてみたらマフラー部分が細い気がする。いろいろな動画を見ても、どうももう一回り太いものが正解のようだ。どうやら作る時に参考にした写真のマフラーだけが細かったようだ。仕方ないので作り直す。直径8約8.5mmから10mmへ。マフラー部の長さをちょっと短くし、エッジの丸みも少し強調した。
ライトハウスもアルミ棒から削りだす。後方の形状が丸すぎるので、ちょっとだけシャープに尖らせる。内側も綺麗に反射するようになって満足だが、その重みにプラのステーが耐えられるかが心配。結局、フレームも真鍮で作り直すなんてなると大変なので、それは止めておこうとは思うが…
課題だったメッキパーツをメタルに置き換えたが、まだまだ先は長い。
08.22.
Triumph Tiger80 1937 1/9
さて、Tiger 80 は、トライアンフ社に移籍してきたエドワード=ターナーによる洗練されたデザインで、それまでのモデルに、エンジン上部シリンダーヘッド、マフラー、ハンドル形状の変更をほどこし、メッキパーツも多様されている。Tiger 80(350㏄)は、スポーツモデルということで1937 年に発売されたが、翌年にそのツーリングモデルとして 発売されたのが 3H だ。(ちなみに2H(250cc)・5H(500cc)はそれぞれTiger70・Tiger90に対応)
Tiger80は 3Hと比べて、メーターなどの計器類はタンク上部に設置され、マフラーはアップになっており、いかにもスポーツモデルらしい。
マフラーはアルミ棒で置き換えることにするが、シリンダーヘッドの修正は少々困難だ。というのは正確な形状が分かる写真が無いからなのだが、eBAYでシリンダーヘッドが出品されているのを見つけ、やっと正確な形状が分かったので今回制作に踏み出すことにした。
Esciのキットはほぼ正確なので、安心して仮組みをしていく。フレームの形状・長さは、実車写真と合成してみてもピッタリ! ただ残念なことに、軍用タイヤのままなので、これではスポーツタイプにならない。とりあえず他のプロターのキットから適当なものを仮組みしてみた。
タイヤさえ替えれば、ほとんどそのまま組めるかと思ったが、エンジンが垂直につかないし、ギアーボックスも前上がりになってしまう。仕方ないのでステーを作り直す。仮組みのやり直しがきくように今回も六角ボルトとナットで留める。またタンク上部が平ら過ぎるので軽くパテ盛りし、ライトハウスも軍用のままでスイッチやメーターが付く仕様となってしまっているので、それらを削り取る。
細かいことだが、フロントフェンダーのフォーク部分の逃げ幅が広すぎるので、そこも修正する。
そして、シリンダーヘッドの修正。
オーナーズマニュアルを読むと、基本的構造は3Hと変わらないため、キットを削ったりパテを盛ったりして修正する。
シリンダーヘッドにつく金属版は、アルミ板で自作。取り付け口は真鍮パイプを埋め込んで作成。ロッドは丁度よい太さのものがないので、先のVincentのフェンダーステーを加工した。
いい感じで出来てきたが、クロームメッキのタンクが問題。
キットのタンクをメッキ塗装してみたが、全く感じが出ない… どうするか…
04.11.
未塗装で一応、完成
03.30.
ペダル・バッテリー・シート・こまごましたもの
これらを取り付けてみると、ヴィンセントのメカメカしさが際立ってきた。
左側にあるリアブレーキペダルもキットのものは一体となっているが、実際には可動部分が多いので、実車通りに部品を切り分け、接合部分は半田を盛って修正し六角ボルトとナットで留められるようにする。
バッテリーの留め金をアルミ板で作り、実車同様に固定できるようにする。
シートには本皮を貼る。シートの丸みが足らなかったので、皮を貼る前にエポキシパテで肉付けした。
ブレーキのステーはアルミ板から自作。ワイヤーが取り付く部分はローラーになっているので、その部品もアルミ棒から削り出す。そこに0.6mmの穴を開けてワイヤーを通せるようにする。スピードメーターワイヤーの取り出し口は、キットのものはホワイトメタルがキャスティングの際に歪んでおり真円が出ていたにため、アルミ棒を旋盤で挽き出して自作する。取り付け部分もアルミ板で自作。
チェーンアジャスターもキットのものは、パーティングラインが目立つし真円が出ていないので、これも旋盤で挽き出す。
リアブレーキが回転してしまわないように支えるステーは、ホワイトメタルでは強度が足らないため、真鍮版で作り直す。調整のバネを洋白線で巻き、取り付け部分は洋白板で自作。ブレーキーステーは、フロントと同じ要領で作成し、さらにブレーキロッドを調整する蝶ネジも自作。
その他、タンデムステップを作り忘れていた。ステップ部分だけはキットのものを使用し、可動部分とステーは、余りもののホワイトメタルを加工して自作。
スピードメーター側のケーブル取り出し口も忘れていた。
ハンドルレバーのワイヤー取り付け部分を半田を盛って作る。そうしないとワイヤーが入らない。さらにネジなどを追加してみると、ハンドルバーに留めるステーの幅が有り過ぎることに気が付いたので、全てを2割程度小さく加工し直した。
ワイヤー類以外は、ほとんど作ったはずだが、案外とこまごましたものを作成するのに時間がかかった。とりあえず塗装は後日とし、金属だけで組み上げてしばらく鑑賞することにする。
01.24.
オイルライン ・ 仮組み
Vincentの特徴であるエンジン周辺のオイルパイプを作る。
メッシュパイプは両端を真鍮パイプでおさえ、他のパイプは1mmの洋白線で作成。
接合部分は”さかつう”の六角フランジを使用。
タンク左側から左右のキャブにガソリンが回るようにT字形のパイプがある。
これも洋白線で作るが、T字になるように0.5mmの穴を開け、ハンダ付けする。
フューエルコックは真鍮パイプと六角ナット、フランジを組み合わせて作成。この当時のフューエルコックは、プッシュ式でガソリンを止めるようになっているので、その部品は洋白棒を旋盤で削り出して作った。
オイルパイプをエンジンに取り付ける前に、Vincentのロゴがあるプッシュロッドカバーの形を整える。というのは、キットのカバーは本来円形であるはずなのに、ホワイトメタルにキャスティングする際に楕円形に酷く歪んでしまっているからだ。と言っても、歪んだものを直せないのだが、前回でちょっと触れたようにイギリスからキットの一部だけを安く購入できたので、そのスペア部品のエンジンヘッド上部のカバーを切りとって成形し、歪みの少ない部品を使用することにする。
そのプッシュロッドカバーとオイルパイプを取り付けてみる。プッシュロッドもアルミで作っていたものを、2.5mmのステンレスパイプを入手して置き換えた。
後でエンジンを塗装するため、全ての部品は嵌め込んであるだけだが、なかなか良い感じ。
キャブも仮組みして、取り回しが複雑になるオイルパイプが互いに干渉しないかチェック。
ほぼエンジンが完成。
さらに、エキパイを取り付け、ホワイトメタルのタンクも載せてみた。レジンのタンクで作ってきたけれど、全体のバランスを見るにはメタルの方がよい。このタンクもスペア部品より作成。
強度を考えて作ってきたかいがあって、重たいエンジンを載せても自立している。
このまま塗装しないで完成とし、もう1台作って塗装と未塗装の2つにしようかなぁ~とか思うけれど、更に1年かかっちゃうしねぇ…
ステップ類とブレーキのステーを作りながら考えることにしよう。
01.07.
ジェネレーター ・ キャブ
キットのジェネレーターは、真円が出ていないだけでなく細すぎる。また、ジェネレーターを支えるステーも荒いので、実車同様にジェネレーターを挟む形式に変えることにした。
キットのジェネレーターを切り取り、ステーとなる部分に穴をあけて、2つに分割。形も歪んでいたのでハンダを盛って修正。六角ボルトで留められるように修正した。
キットのものと比べてみると(イギリスのebayでいくつかの部品だけが売り出されていたので安く購入した)ジェネレーターのカバーをつけた状態にしたので先端は丸くシンプルだが、太さもステーもなかなか良い感じになった。
さらに苦労したのはキャブレーター。最初はキットの部品の内側にスライドピストンを入れるだけの予定だった。ところが、キットのホワイトメタルが柔らかすぎて穴を開けただけで全体の形状が歪んでしまった。
また、キットのキャブは左右2つとも同じ形状をしている。だが、これだと調整ネジも同じ側にきてしまい、左右の外側にネジがこないことになってしまう。実際、初期のvincentにはこのようなキャブがついていたようだが、後期には改良されて、左右それぞれの外側にネジが来るように対称的なつくりとなっている。
それらを再現するためにも、全てを自作することにした。まず、調整ネジがつく三角状の突起をアルミ棒をやすりで削って作る。キャブ本体の丸棒状に合わせて接着するため接地面を丸く削る。小さい部品なので、その作業がなかなか大変。
また、もう一つの調整ネジを付ける四角状のステーもアルミ棒から削りだし、これも接地面を丸く削る。さらに、もう1つ支えとなる三角状の部品も削りだす。本体はアルミ棒を旋盤で削り出し穴を開けて作成し、真鍮棒でピストンを作る。
これらを接着して本体の大体の形が完成。また、エアファンネルはアルミ棒から旋盤で削りだすが、非常に薄いので歪まないように作成し、本体よりも光沢が出るように磨き込んでおく。
キットのフローターは、キャブへの取り付け部分のネジ類が大幅に省略されているだけでなく、接合部の形状がただの板状になっているので、ハンダを盛って球状に成形する。その際にキャブとの位置が近くなるように長さも短くした。キットのままだとフローターが異常に飛び出る格好になってしまう。また、左右でガソリン供給のされ方が違い、上下部の構造も違ってくるのでそれらを作成し、フロートを測る突起と調整ネジも再現した。
キャブ本体の調整ネジには、アドラーズネストのマイナスネジを六角ナットやバネと組み合わせて作成し、インテークマニホールドへの接合部品を真鍮版で作った。キャブ1つが
約30個の部品からなり、それを2組分作ったので時間がかかったぁ~
キットのものと比較してみると格段に良くなり、エンジンに仮組みしてみてもいい感じ。
次はオイルラインに取り掛かりますが、これもそれなりに時間がかかりそう。
12.13.
ハンドル周辺 エンジンカバー修正
とりあえずスタンドを真鍮で作って、自立できるようにしてみた。
サイドスタンドの強度も充分。
次に各種レバー類の修正をする。レバーの短いものは、もとのホワイトメタルを溶かさないように慎重にハンダを盛って形状を修正する。レバーが細いので一度ハンダを盛って修正しても、接合部分が凹んだりするので、その部分だけ再度ハンダを盛って丁寧に形を作る。
また、クラッチやフロントブレーキのレバーはのっぺりしておらず、溝が入っているので(本当は折り曲げて作られている)それを再現する。内側が凸凹だが、後でヤスリで修正。
チョークレバーが前後のシリンダーそれぞれについているのだが、そのレバーの形状が平らになってしまっているので、キットのメタルを溶かさない程度に、ほ~~んの少しだけハンダを盛って修正する。まずは、レバーの先端部分にハンダを盛りヤスリで丸く削る。次にレバー自体の肉付けをしていく。2つのレバーを1塊で作るのは不可能だったので、もう1つレバーを自作し、ネジ留めにすることにした。更にハンドルバーに六角ボルトで取り付けられるようにする。
ハンドルバーとフロントのステーを取り付ける部品も、六角ボルトとナットで実車通りに留められるように加工。その他、レバー類も全て六角ボルト・ナットで留められるようにした。
次に右エンジンカバーのディストリビューターカバーを作り直す。キットのものは、円形も崩れていれば、ネジ部分も非常にだるい。小さなカバーに6つのネジを留める部分をどう作るかよい案が浮かばず、このために非常に時間がかかった。
まずは、0.5mm厚の真鍮版を円盤上に切り出し、真鍮パイプにハンダ付けしてから、旋盤で真円に加工。そして6つの切れ込みを入れる。そこに、1.0mm真鍮パイプをハンダ付けし、最後に全てを切り取り研磨。案外とよい感じに出来上がった!
さらにエンジンカバー自体の加工に入る。これも手をつけようかどうしようか迷った部分だが、内部のオイルラインがカバーの表面にまで浮き出て見える部分が、Vincentのエンジンの特徴でもあるので、結局手を付けることにした。
エンジンカバーにドリルで溝を掘り(写真なし)そこに、2.4mm、2.0mm、1.8mmの真鍮パイプをハンダ付けしていく。真鍮パイプはハンダ付けの後に切り取りやすいように、半分ほど最初に切れ込みを入れておく。そして、ハンダゴテを高温にし、その熱を真鍮パイプを通して本体に伝わるようにして、じっくり押し付けてうまく融合するまで待つ。
ホワイトメタルの本体が溶けだすギリギリでハンダゴテを離す。
きちんとした輪郭が浮き上がり、位置も修正できて非常に満足!
ついでに、Vincentのロゴも、彫刻刀で彫り直した。
左のエンジンカバーは、本体と形状が全く合わない。赤・橙・黄色の円で囲んだところを見ても分かるが、2mm以上もずれている!カバー側で長さが足らない部分はハンダを盛り、本体が大きすぎる部分は、形状が妙にならないように削りとって、どうにかピッタリ合うようになった。また、ジェネレーターカバーを真鍮版で自作。これは4つのネジ留め部分が残るように削り出して作成。ただし真鍮版では平たくなってしまうので、ハンダを盛って緩やかな盛り上がりを作った。
この後は、エンジンのオイルラインとキャブレーターを作れば、大体の部分が完成することになる。塗装は無理でも、年内に部品だけでも作りあげられるとよいのだが…
09.17.
プッシュロッド ・ パネル類 ・ シート ・ チェーン ・ スタンド
エキパイやタンデム用ステップ、ホーンをつけるパネルは、ホワイトメタルだと簡単に歪んでしまうので、0.8mm厚の真鍮板に置き換える。また、フロントのパネルは0.5mm厚の真鍮板に置き換え、六角ボルトでフロントフォークに取り付けられるように加工。
シートはリア側が長すぎるのでカット。リアフェンダーと干渉する部分のえぐり部分を作る。シート下部はホワイトメタルなので、強引にペンチで歪めて作成した。
さらにスイングアームとシートに取り付ける部分は真鍮板で作成。
チェーンはエッチングを一コマずつ組み立てるが、今回は、特注されたらしいステンレス製のローラーを使用する。「ローラーにはめ込めばよいだけ」との説明だったが、ローラー中心部に段差があり、内側のチェーンの穴を1mmに、外側のチェーンの穴を0.8mmに変えなければ、綺麗に組み上がらなさそうなので、1コマ1コマ丁寧に穴を開けていく。あとはカチリカチリとはめ込んでいけばよいだけ。
エンジン下部につくプロップスタンドとステーを真鍮棒と真鍮板で作成する。
模型自体の重量がかなりあるため、真鍮棒だけでは曲がってしまったため、半田を盛って強度を確保。取り付け部分は真鍮パイプを組み合わせて、これも半田を大量に使って強度を確保。
エンジンに取り付けるためのステーは0.8mm真鍮板。これをエンジンにボルトを埋め込み、ナットで組み込めるように作成する。また、スタンドの上部につくカバーも、実車どおりに六角ナットで固定できるようにした。
以上、エンジン以外の大枠はほとんど作ったはず… と思ったが、まだハンドル周りが残っていた…
07.06.
エキパイ修正 ・ 各種ステー
キットのホワイトメタルの各ステーは、どうしても歪みが出るし、強度にも不安があるので、全て真鍮丸棒で作り直す。
細い方のフロントフォークの取り付け部分は、先端を半分削り落とした上に、真鍮板を半田付けする。さらにバネで可動する先端部はアルミ棒を削ってネジ留めができるようにする。アルミ棒の径は 3mm、真鍮棒の径は 3.6mm。
また、メインのフロントフォークの幅が広すぎるため、1.5mmほど削って細くする。これで上部の角度も全体の形状も随分とスッキリした。クッションのある細い方のフォークと組み合わせるとなかなか良い感じ。
フロントフェンダーステーは、1.5mmの真鍮丸棒を手曲げ加工。フェンダーを取り付ける部分として、小さな真鍮板を半田づけして穴をあけ、六角ボルトとナットで留められるようにする。
ヘッドライトステーは、垂直方向に重量がかかる部分は(ヘッドライトがメタルの塊なのでそれなりの重さがある)キットのものは長すぎるし強度が怪しいので、真鍮棒に置き換える。ボルトを取り付ける部分は、小さく切った真鍮板を半田づけしてある。微妙なカーブを描いているので左右対称にするのに一苦労。部品作りに疲れたので、水平方向の部品は、歪みが少なく強度にも問題がないキットのものをそのまま使用。これらも六角ボルトとナットで組み上げる。
最大の難関だったのは、エキパイの修正。マフラーにつながる部分も、シリンダーにつながる部分も短い。写真では仮組してあるが、黄色丸部分のうちマフラーにつながる部分は1cmほども短く、また、シリンダーにつながる部分は、カーブを描いているために、筒の形状を保ったまま継ぎ足すのは非常に難しそう… また、シリンダー側は赤丸の部分を見ると分かるように、エキパイの角度と合っていないため、この部分も修正しなければならない。
まずは、一番簡単そうなマフラー側の直線部分の継ぎ足しに挑戦。真鍮パイプをいくつか組合せ、その上に半田を盛る。荒削りにしてから形を整える。さらに接合部に段差があるので、再度半田を盛っては削る。という作業を繰り返してなんとか継ぎ足せた。
写真を撮る余裕がなかったが、湾曲部分の継ぎ足しにも成功したので、調子に乗って、2本に分かれている部分に凹みがあるので(写真赤丸の部分)、ここにも半田を盛って修正する。若干の歪みは残るものの、パッと見では気が付かない程度には治った。さらに全体の歪みを修正すると、後側のシリンダーにつくエキパイも短くなったため(青丸部分)、これも継ぎ足した。
次に、シリンダー側のエキパイ取り付け部分の修正に入る。(比較している左側のシリンダーはRAEのキットのもの。取り付け部分の角度、長さが正確)
これも余裕がなく修正過程の写真を撮れなかったが、半田を盛っては、やすりで削るという作業を繰り返し、なんとかエキパイを取り付けられる状態にすることに成功。一番右の写真は修整後の状態。継ぎ足した部分は写真で見ても気にならない程度になっている。
リアフェンダーステーは、真鍮棒に真鍮板を半田づけし、さらにフェンダーのカーブに合わせて曲げてからボルト用の穴を開ける。ちょっと位置がずれるとフェンダーの取り付け角度が曲がってしまうので、仮組を慎重に行いながら位置決めをする。
チェーンカバーの取り付け部分は、キットのままだと位置がずれていて取り付けが不可能。そこで真鍮板に置き換える。ホワイトメタルを溶かさないように温度調節をしながら、半田を余分に持って削り落としていく。チェーンカバーを取り付けるステーも真鍮加工で自作する。
リアフェンダーは、本来はメンテナンスを容易にするために分割式となっている。その分割部分の部品は、モールドが甘すぎるので全てを削り落とす。さらに、リアフェンダーとのアールが合っておらず浮いてしまう状態なので、内側に半田を盛って削って修正。また、ナンバープレートが付く部分も左右の形状が違うため、薄い部分ではあるがここも半田を盛って修正。
それらを組み合わせ、チェーンカバーも含めて車体に組み込んでみる。かなり良い感じ。シート形状を修正し、シート取り付けのステーも加工しないとね…
メタルのタンクではなく、レジンタンクを使用することにしたが、長すぎるので、絞込みの激しい後部を削り落として形を整える。また、前部の形状も丸すぎるので、角度をつけて平に修正する。これはRAEのキットのものだが、RAEのキットはここが最大の欠点かも。ただ、様々な部品を作っていくと、RAEのキットは各部品が非常に良く出来ていることが分かってきた。
今までの部品を組み込むと、やっと全体像が見えてきた。
それなりのシルエットになってきたが、完成までの道のりは相当長い気がする…
まぁ、レアで高価なキットなのだから、制作を充分に楽しまなくっちゃね。
06.15.
リム ・ スポーク張り ・ リアサス
Big6のリムはアルミの挽き物で、素晴らしいのだが、リムの高さがちょっとあり過ぎてリムばかりが目立ってしまう。そこで、以前にCB750 (1/8)のリムをホワイトメタルにしてあったものを改良することにした。リムの中央が高いので薄く削り、また、後輪は幅が広く使えないので、幅の狭い前輪リムを切断して径を小さくすることにした。ホワイトメタルなので、銀成分の多いハンダで接合し、磨いてしまえば切断面は全く分からなくなる。ただ、歪みをなくし真円状態にしなければならないので、加工に相当時間がかかった。
さらに、タイヤが綺麗にはまるようにリムの外側を削り、スポークを留められる溝も掘る。
また、リアハブの幅も広すぎるので真ん中で切断し、左右の円の中心がずれないように、また歪まないようにハンダで接合。段々ハンダ接合が得意になってきた。
リムとハブが出来たので、スポークを張る。今回は模型自体の重量があるので、0.5mmの志賀昆虫の虫ピンを使う。ホワイトメタルのハブは柔らかいので、虫ピンの頭を押し込むと美しく仕上がる。
スイングアームはエンジンの左右のカバーに直接ボルト留めするが、まだ仮組みなので、エンジンカバーもボルト留めにしたい。3箇所で留めるが、上部のボルトが通る部分の形状と穴の位置が違っていたので、ハンダを盛って修正する。(写真左:黄色の円の部分)
さらに、サスペンションの取り付け部分の幅が広過ぎるため(写真左から2番目:2つの黄色の円の部分)修正するが、接合部の強度も考えて真鍮板を加えてハンダで修正。また、リアフェンダーの取り付け部分は、ホワイトメタルでは強度に不安があるので(写真:2つの赤い円の部分)、これも真鍮に置き換えフェンダーをボルト&ナットで留められるようにする。
スイングアームとオイルタンクの間につくリアサスペンションは、キットのものは長いし、歪んでいるし、細くもあるので、アルミ棒を旋盤で挽いて自作する。2本あるサスの間のダンパーはキットのものを使い、それらを留めるボルトは、ステンレスパイプとネジを組み合わせて自作。
各部品を組んでみると (タンクはBlack Shadowにするので、RAEのレジンを使用することにしたが、高さがありすぎるので修正しないとね。)、リア周辺は良い感じだが、若干フロントフォークが前に出ている気がする。キャスター角は丁度なので、オイルタンクとの接合部分を修正するしかないか… このままでもいいか…