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クラシックバイクを中心に、細部に拘ったバイク模型の制作記録  

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05.19.

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  • 05/19/22:23

01.24.

オイルライン ・ 仮組み

Vincentの特徴であるエンジン周辺のオイルパイプを作る。
メッシュパイプは両端を真鍮パイプでおさえ、他のパイプは1mmの洋白線で作成。
接合部分は”さかつう”の六角フランジを使用。


タンク左側から左右のキャブにガソリンが回るようにT字形のパイプがある。
これも洋白線で作るが、T字になるように0.5mmの穴を開け、ハンダ付けする。

フューエルコックは真鍮パイプと六角ナット、フランジを組み合わせて作成。この当時のフューエルコックは、プッシュ式でガソリンを止めるようになっているので、その部品は洋白棒を旋盤で削り出して作った。


オイルパイプをエンジンに取り付ける前に、Vincentのロゴがあるプッシュロッドカバーの形を整える。というのは、キットのカバーは本来円形であるはずなのに、ホワイトメタルにキャスティングする際に楕円形に酷く歪んでしまっているからだ。と言っても、歪んだものを直せないのだが、前回でちょっと触れたようにイギリスからキットの一部だけを安く購入できたので、そのスペア部品のエンジンヘッド上部のカバーを切りとって成形し、歪みの少ない部品を使用することにする。

そのプッシュロッドカバーとオイルパイプを取り付けてみる。プッシュロッドもアルミで作っていたものを、2.5mmのステンレスパイプを入手して置き換えた。
後でエンジンを塗装するため、全ての部品は嵌め込んであるだけだが、なかなか良い感じ。


キャブも仮組みして、取り回しが複雑になるオイルパイプが互いに干渉しないかチェック。


ほぼエンジンが完成。


さらに、エキパイを取り付け、ホワイトメタルのタンクも載せてみた。レジンのタンクで作ってきたけれど、全体のバランスを見るにはメタルの方がよい。このタンクもスペア部品より作成。


強度を考えて作ってきたかいがあって、重たいエンジンを載せても自立している。


 
このまま塗装しないで完成とし、もう1台作って塗装と未塗装の2つにしようかなぁ~とか思うけれど、更に1年かかっちゃうしねぇ…
ステップ類とブレーキのステーを作りながら考えることにしよう。








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01.07.

ジェネレーター ・ キャブ

昨年内で部品全てを完成させられるかと思ったら、とんでもなかった。
ジェネレーターとキャブを作るだけで精一杯だった。

キットのジェネレーターは、真円が出ていないだけでなく細すぎる。また、ジェネレーターを支えるステーも荒いので、実車同様にジェネレーターを挟む形式に変えることにした。
キットのジェネレーターを切り取り、ステーとなる部分に穴をあけて、2つに分割。形も歪んでいたのでハンダを盛って修正。六角ボルトで留められるように修正した。


キットのものと比べてみると(イギリスのebayでいくつかの部品だけが売り出されていたので安く購入した)ジェネレーターのカバーをつけた状態にしたので先端は丸くシンプルだが、太さもステーもなかなか良い感じになった。


さらに苦労したのはキャブレーター。最初はキットの部品の内側にスライドピストンを入れるだけの予定だった。ところが、キットのホワイトメタルが柔らかすぎて穴を開けただけで全体の形状が歪んでしまった。

また、キットのキャブは左右2つとも同じ形状をしている。だが、これだと調整ネジも同じ側にきてしまい、左右の外側にネジがこないことになってしまう。実際、初期のvincentにはこのようなキャブがついていたようだが、後期には改良されて、左右それぞれの外側にネジが来るように対称的なつくりとなっている。


それらを再現するためにも、全てを自作することにした。まず、調整ネジがつく三角状の突起をアルミ棒をやすりで削って作る。キャブ本体の丸棒状に合わせて接着するため接地面を丸く削る。小さい部品なので、その作業がなかなか大変。

また、もう一つの調整ネジを付ける四角状のステーもアルミ棒から削りだし、これも接地面を丸く削る。さらに、もう1つ支えとなる三角状の部品も削りだす。本体はアルミ棒を旋盤で削り出し穴を開けて作成し、真鍮棒でピストンを作る。
これらを接着して本体の大体の形が完成。また、エアファンネルはアルミ棒から旋盤で削りだすが、非常に薄いので歪まないように作成し、本体よりも光沢が出るように磨き込んでおく。


キットのフローターは、キャブへの取り付け部分のネジ類が大幅に省略されているだけでなく、接合部の形状がただの板状になっているので、ハンダを盛って球状に成形する。その際にキャブとの位置が近くなるように長さも短くした。キットのままだとフローターが異常に飛び出る格好になってしまう。また、左右でガソリン供給のされ方が違い、上下部の構造も違ってくるのでそれらを作成し、フロートを測る突起と調整ネジも再現した。


キャブ本体の調整ネジには、アドラーズネストのマイナスネジを六角ナットやバネと組み合わせて作成し、インテークマニホールドへの接合部品を真鍮版で作った。キャブ1つが
約30個の部品からなり、それを2組分作ったので時間がかかったぁ~


キットのものと比較してみると格段に良くなり、エンジンに仮組みしてみてもいい感じ。


次はオイルラインに取り掛かりますが、これもそれなりに時間がかかりそう。




12.13.

ハンドル周辺 エンジンカバー修正

前回から随分と時が経ってしまった… 
とりあえずスタンドを真鍮で作って、自立できるようにしてみた。
サイドスタンドの強度も充分。


次に各種レバー類の修正をする。レバーの短いものは、もとのホワイトメタルを溶かさないように慎重にハンダを盛って形状を修正する。レバーが細いので一度ハンダを盛って修正しても、接合部分が凹んだりするので、その部分だけ再度ハンダを盛って丁寧に形を作る。

また、クラッチやフロントブレーキのレバーはのっぺりしておらず、溝が入っているので(本当は折り曲げて作られている)それを再現する。内側が凸凹だが、後でヤスリで修正。


チョークレバーが前後のシリンダーそれぞれについているのだが、そのレバーの形状が平らになってしまっているので、キットのメタルを溶かさない程度に、ほ~~んの少しだけハンダを盛って修正する。まずは、レバーの先端部分にハンダを盛りヤスリで丸く削る。次にレバー自体の肉付けをしていく。2つのレバーを1塊で作るのは不可能だったので、もう1つレバーを自作し、ネジ留めにすることにした。更にハンドルバーに六角ボルトで取り付けられるようにする。


ハンドルバーとフロントのステーを取り付ける部品も、六角ボルトとナットで実車通りに留められるように加工。その他、レバー類も全て六角ボルト・ナットで留められるようにした。







次に右エンジンカバーのディストリビューターカバーを作り直す。キットのものは、円形も崩れていれば、ネジ部分も非常にだるい。小さなカバーに6つのネジを留める部分をどう作るかよい案が浮かばず、このために非常に時間がかかった。

まずは、0.5mm厚の真鍮版を円盤上に切り出し、真鍮パイプにハンダ付けしてから、旋盤で真円に加工。そして6つの切れ込みを入れる。そこに、1.0mm真鍮パイプをハンダ付けし、最後に全てを切り取り研磨。案外とよい感じに出来上がった!


さらにエンジンカバー自体の加工に入る。これも手をつけようかどうしようか迷った部分だが、内部のオイルラインがカバーの表面にまで浮き出て見える部分が、Vincentのエンジンの特徴でもあるので、結局手を付けることにした。

エンジンカバーにドリルで溝を掘り(写真なし)そこに、2.4mm、2.0mm、1.8mmの真鍮パイプをハンダ付けしていく。真鍮パイプはハンダ付けの後に切り取りやすいように、半分ほど最初に切れ込みを入れておく。そして、ハンダゴテを高温にし、その熱を真鍮パイプを通して本体に伝わるようにして、じっくり押し付けてうまく融合するまで待つ。
ホワイトメタルの本体が溶けだすギリギリでハンダゴテを離す。
きちんとした輪郭が浮き上がり、位置も修正できて非常に満足!
ついでに、Vincentのロゴも、彫刻刀で彫り直した。


左のエンジンカバーは、本体と形状が全く合わない。赤・橙・黄色の円で囲んだところを見ても分かるが、2mm以上もずれている!カバー側で長さが足らない部分はハンダを盛り、本体が大きすぎる部分は、形状が妙にならないように削りとって、どうにかピッタリ合うようになった。また、ジェネレーターカバーを真鍮版で自作。これは4つのネジ留め部分が残るように削り出して作成。ただし真鍮版では平たくなってしまうので、ハンダを盛って緩やかな盛り上がりを作った。


この後は、エンジンのオイルラインとキャブレーターを作れば、大体の部分が完成することになる。塗装は無理でも、年内に部品だけでも作りあげられるとよいのだが…







09.17.

プッシュロッド ・ パネル類 ・ シート ・ チェーン ・ スタンド

シリンダーの横にあるプッシュロッドは、キットのものはヘッドと一体型になっている。これをロッドとヘッド部分に切り分ける。
何故プッシュロッドを切り分ける必要があるかというと、一体型のままだと、エンジン本体側に取り付けた後(オレンジの状態)、シリンダーを載せて組み立てることになるが、そうすると、図の緑の部分のように接合部分に隙間ができてしまう。
本来、この緑の部分は青の部分のように、その下部と一体型になっており、隙間は全くない。(青の部分は、エポキシパテで埋めてある)
そこで上部を一体型としてシリンダーヘッドに取り付けた状態で、プッシュロッドは、下から嵌め込んで組み立てる方法をとった。(’赤の状態)
次にブレーキ。一番左の写真はRAEのキットの部品。ブレーキと周囲のパネルが別パーツとなっている。
その右隣がBig6のもの。ブレーキパーツが全て1体となっているだけでなく、本来ブレーキの周辺ドーナッツ状のパネルが、なんとブレーキよりも低い位置になってしまっている。
そこで、ドーナッツ状のパネルを1mm厚のアルミ板をくり抜いて作成して、上から被せられるようにした。


エキパイやタンデム用ステップ、ホーンをつけるパネルは、ホワイトメタルだと簡単に歪んでしまうので、0.8mm厚の真鍮板に置き換える。また、フロントのパネルは0.5mm厚の真鍮板に置き換え、六角ボルトでフロントフォークに取り付けられるように加工。


シートはリア側が長すぎるのでカット。リアフェンダーと干渉する部分のえぐり部分を作る。シート下部はホワイトメタルなので、強引にペンチで歪めて作成した。
また、シートの形状が角張過ぎていたので、裏にエポキシパテを詰めてからサイドを丸く削りおとした。


シートを支えるステーは、下部だけキットのものを使いロッドはステンレスパイプに置き換え、円形部分はアルミ板を旋盤で挽いて作成。それをネジで留められるように加工。
さらにスイングアームとシートに取り付ける部分は真鍮板で作成。


チェーンはエッチングを一コマずつ組み立てるが、今回は、特注されたらしいステンレス製のローラーを使用する。「ローラーにはめ込めばよいだけ」との説明だったが、ローラー中心部に段差があり、内側のチェーンの穴を1mmに、外側のチェーンの穴を0.8mmに変えなければ、綺麗に組み上がらなさそうなので、1コマ1コマ丁寧に穴を開けていく。あとはカチリカチリとはめ込んでいけばよいだけ。


組立たチェーンには、キットのスプロケットが合わないので、いつものように設計図を描いた後、1.5mm厚のアルミ板にドリルで穴を開けてスプロケを作成。


エンジン下部につくプロップスタンドとステーを真鍮棒と真鍮板で作成する。
模型自体の重量がかなりあるため、真鍮棒だけでは曲がってしまったため、半田を盛って強度を確保。取り付け部分は真鍮パイプを組み合わせて、これも半田を大量に使って強度を確保。

エンジンに取り付けるためのステーは0.8mm真鍮板。これをエンジンにボルトを埋め込み、ナットで組み込めるように作成する。また、スタンドの上部につくカバーも、実車どおりに六角ナットで固定できるようにした。


以上、エンジン以外の大枠はほとんど作ったはず… と思ったが、まだハンドル周りが残っていた…




 

07.06.

エキパイ修正 ・ 各種ステー

キットのホワイトメタルの各ステーは、どうしても歪みが出るし、強度にも不安があるので、全て真鍮丸棒で作り直す。
細い方のフロントフォークの取り付け部分は、先端を半分削り落とした上に、真鍮板を半田付けする。さらにバネで可動する先端部はアルミ棒を削ってネジ留めができるようにする。アルミ棒の径は 3mm、真鍮棒の径は 3.6mm。

また、メインのフロントフォークの幅が広すぎるため、1.5mmほど削って細くする。これで上部の角度も全体の形状も随分とスッキリした。クッションのある細い方のフォークと組み合わせるとなかなか良い感じ。


フロントフェンダーステーは、1.5mmの真鍮丸棒を手曲げ加工。フェンダーを取り付ける部分として、小さな真鍮板を半田づけして穴をあけ、六角ボルトとナットで留められるようにする。


ヘッドライトステーは、垂直方向に重量がかかる部分は(ヘッドライトがメタルの塊なのでそれなりの重さがある)キットのものは長すぎるし強度が怪しいので、真鍮棒に置き換える。ボルトを取り付ける部分は、小さく切った真鍮板を半田づけしてある。微妙なカーブを描いているので左右対称にするのに一苦労。部品作りに疲れたので、水平方向の部品は、歪みが少なく強度にも問題がないキットのものをそのまま使用。これらも六角ボルトとナットで組み上げる。


最大の難関だったのは、エキパイの修正。マフラーにつながる部分も、シリンダーにつながる部分も短い。写真では仮組してあるが、黄色丸部分のうちマフラーにつながる部分は1cmほども短く、また、シリンダーにつながる部分は、カーブを描いているために、筒の形状を保ったまま継ぎ足すのは非常に難しそう… また、シリンダー側は赤丸の部分を見ると分かるように、エキパイの角度と合っていないため、この部分も修正しなければならない。

まずは、一番簡単そうなマフラー側の直線部分の継ぎ足しに挑戦。真鍮パイプをいくつか組合せ、その上に半田を盛る。荒削りにしてから形を整える。さらに接合部に段差があるので、再度半田を盛っては削る。という作業を繰り返してなんとか継ぎ足せた。

 写真を撮る余裕がなかったが、湾曲部分の継ぎ足しにも成功したので、調子に乗って、2本に分かれている部分に凹みがあるので(写真赤丸の部分)、ここにも半田を盛って修正する。若干の歪みは残るものの、パッと見では気が付かない程度には治った。さらに全体の歪みを修正すると、後側のシリンダーにつくエキパイも短くなったため(青丸部分)、これも継ぎ足した。


次に、シリンダー側のエキパイ取り付け部分の修正に入る。(比較している左側のシリンダーはRAEのキットのもの。取り付け部分の角度、長さが正確)
これも余裕がなく修正過程の写真を撮れなかったが、半田を盛っては、やすりで削るという作業を繰り返し、なんとかエキパイを取り付けられる状態にすることに成功。一番右の写真は修整後の状態。継ぎ足した部分は写真で見ても気にならない程度になっている。  

リアフェンダーステーは、真鍮棒に真鍮板を半田づけし、さらにフェンダーのカーブに合わせて曲げてからボルト用の穴を開ける。ちょっと位置がずれるとフェンダーの取り付け角度が曲がってしまうので、仮組を慎重に行いながら位置決めをする。


チェーンカバーの取り付け部分は、キットのままだと位置がずれていて取り付けが不可能。そこで真鍮板に置き換える。ホワイトメタルを溶かさないように温度調節をしながら、半田を余分に持って削り落としていく。チェーンカバーを取り付けるステーも真鍮加工で自作する。


リアフェンダーは、本来はメンテナンスを容易にするために分割式となっている。その分割部分の部品は、モールドが甘すぎるので全てを削り落とす。さらに、リアフェンダーとのアールが合っておらず浮いてしまう状態なので、内側に半田を盛って削って修正。また、ナンバープレートが付く部分も左右の形状が違うため、薄い部分ではあるがここも半田を盛って修正。

それらを組み合わせ、チェーンカバーも含めて車体に組み込んでみる。かなり良い感じ。シート形状を修正し、シート取り付けのステーも加工しないとね…

メタルのタンクではなく、レジンタンクを使用することにしたが、長すぎるので、絞込みの激しい後部を削り落として形を整える。また、前部の形状も丸すぎるので、角度をつけて平に修正する。これはRAEのキットのものだが、RAEのキットはここが最大の欠点かも。ただ、様々な部品を作っていくと、RAEのキットは各部品が非常に良く出来ていることが分かってきた。
 

今までの部品を組み込むと、やっと全体像が見えてきた。
 
それなりのシルエットになってきたが、完成までの道のりは相当長い気がする…
まぁ、レアで高価なキットなのだから、制作を充分に楽しまなくっちゃね。 










 

06.15.

リム ・ スポーク張り ・ リアサス

Big6のリムはアルミの挽き物で、素晴らしいのだが、リムの高さがちょっとあり過ぎてリムばかりが目立ってしまう。そこで、以前にCB750 (1/8)のリムをホワイトメタルにしてあったものを改良することにした。リムの中央が高いので薄く削り、また、後輪は幅が広く使えないので、幅の狭い前輪リムを切断して径を小さくすることにした。ホワイトメタルなので、銀成分の多いハンダで接合し、磨いてしまえば切断面は全く分からなくなる。ただ、歪みをなくし真円状態にしなければならないので、加工に相当時間がかかった。
さらに、タイヤが綺麗にはまるようにリムの外側を削り、スポークを留められる溝も掘る。


また、リアハブの幅も広すぎるので真ん中で切断し、左右の円の中心がずれないように、また歪まないようにハンダで接合。段々ハンダ接合が得意になってきた。


リムとハブが出来たので、スポークを張る。今回は模型自体の重量があるので、0.5mmの志賀昆虫の虫ピンを使う。ホワイトメタルのハブは柔らかいので、虫ピンの頭を押し込むと美しく仕上がる。


スイングアームはエンジンの左右のカバーに直接ボルト留めするが、まだ仮組みなので、エンジンカバーもボルト留めにしたい。3箇所で留めるが、上部のボルトが通る部分の形状と穴の位置が違っていたので、ハンダを盛って修正する。(写真左:黄色の円の部分)
さらに、サスペンションの取り付け部分の幅が広過ぎるため(写真左から2番目:2つの黄色の円の部分)修正するが、接合部の強度も考えて真鍮板を加えてハンダで修正。また、リアフェンダーの取り付け部分は、ホワイトメタルでは強度に不安があるので(写真:2つの赤い円の部分)、これも真鍮に置き換えフェンダーをボルト&ナットで留められるようにする。



スイングアームとオイルタンクの間につくリアサスペンションは、キットのものは長いし、歪んでいるし、細くもあるので、アルミ棒を旋盤で挽いて自作する。2本あるサスの間のダンパーはキットのものを使い、それらを留めるボルトは、ステンレスパイプとネジを組み合わせて自作。
 

各部品を組んでみると (タンクはBlack Shadowにするので、RAEのレジンを使用することにしたが、高さがありすぎるので修正しないとね。)、リア周辺は良い感じだが、若干フロントフォークが前に出ている気がする。キャスター角は丁度なので、オイルタンクとの接合部分を修正するしかないか… このままでもいいか…









05.25.

各ステーの修正

模型の重量があるので、接着剤での接合では心もとないため、可能な限りボルト留めにする。まずはシリンダーヘッドとフレーム(オイルタンク)との接合部分。六角部分が1.6mm、ネジ部直径1.2mmのボルトを使用し、1.6mmステンレスパイプを間に挟んで留める。接合部分の部品形状も薄くて簡単に歪むので、ハンダを盛って強化する。
 

フレーム(オイルタンク)後部のステーも薄いホワイトメタルで簡単に曲がってしまうため、内側に0.2mm厚の真鍮板で同じ形を作って補強。組み合わせたらエッジをハンダを流し込んで接着。


フレームとシリンダーヘッドとの接合も六角ボルトを使うが、適当な長さのものがないので、真鍮パイプと六角ボルトを組み合わせて自作。
2つのシリンダーは走行中に冷却する際、後側のシリンダーも冷えるように少々ずれた配置になっている。キットのものは、シリンダーは実車通りだが、フレームを取り付ける部分が前後とも同じ形状のため、そのまま組むと、オイルタンクが進行方向に対して斜めになってしまう。そこで、接合部分の部品を実車と同じになるように加工。
  

エンジンにしっかりとフレームがついたため、次にフロントフォークが取り付けられるように加工する。キットのままだと、ステアリングが固定されてしまっているで、可動できるようにフレームからステーを切り離す。
切り取りる道具は、0.1mm厚の洋白板に、はさみでギザギザを入れたもの。歯が鈍くなったら新たに切れ込みを入れればよいだけなので、使いがってが非常に良い。ステーの穴も中心からずれているので、ハンダで埋めてから穴をあけ直す。


フロントフォークのステーは左右の長さが微妙に違っていたり、角が落ちていたりするので、ハンダを盛って修正し、六角ナットで留められるようにボルトを埋め込む。


フォーク側のステーを修正し終わったので、今度はフレーム側のステーも修正する。こちらは大幅に長さが足らないので、両端にハンダを盛って形を整える。真鍮パイプで自作するほうが、真円も出るしボルト留めするための穴も真っ直ぐになるので、その方がよかったか…
 
フロントフォークは、板に穴を開けてガイドを立て、垂直を出せるように穴をあけ直す。
時々「小さな六角ボルトやナットはどうやって手に入れているのか?」と聞かれるが、eBayなど海外のオークションで古い鉄道模型用のものを買うことが 多い。M0.8~M1.4はなかなか見かけないので、見つけ次第買っているが、ヘッドの大きさ、ボルトの厚みなど様々。
日本製のものが精度もよいけれど、もう生産されていないのでしょうか?見かけませんね。どなたかご存知ですか?

さて、またまた必要なボルトは真鍮パイプやステンレスパイプと組み合わせて自作し、フォーク全体を組み立ててみる。なかなか良い感じ!  

今度はリアのスイングアーム。Vincentは、初めてリアのサスペンションを採用したバイク。それまではリジッドフレームで地面からの振動は吸収されていなかった。

さて、キットのスイングアーム、形状はなかなか良くできているのだが、三角になる角度が30°とちょっと鋭角。35°が正しいらしい。また、ホワイトメタルのフレームでは、とても重量に耐えられそうになので真鍮線に置き換える。直径2.5mmと3mmのものを使うが、2.5mmもあると先端部分を潰して広げることが難しい。(実車はフレームがパイプ状なので潰せているようだ) そこで真鍮板をハンダづけして成形することにした。
   

置き換える真鍮棒は、両端を削って、キットの部品に差し込むように作る。差し込む部分を長めにしてあるので、利用するキットのホワイトメタルの部分の強度も確保できる。

組み込んでみると、なかなかいい感じになってきた。全体の形を見るために取り付けたリアショック(前後逆についていますね) は、間にもう1本入るのでこのままでは間隔が狭すぎます。(スイングアーム側のステーの外側に両方ともつくようにする)
 
しかし、1つひとつの部品修正に時間がかかり過ぎる~
一体、完成までどれほどの時間がかかるのだろう…
そう言えば、このBig6のキットは Vincent Black Shadow にした。RAEと両方作るのはかなり大変そうなので、まずはこちらだけ。











05.06.

仮組み & 計測

RAEとBig6の比較のためにも仮組みをしようとしたら、エンジンを正確に台に固定しなければならないことに気が付いた。その作業でも相当時間がかかったのに、いざ、台に固定して仮組みしようとすると、シリンダーヘッドの上部にオイルタンク兼フレームを取り付ける構造のため、シリンダー全体の形状、角度などを正確に組む必要があることが分かった。
 
 
RAEとBig6(右側)のシリンダーを比較すると、高さが若干違う。さらにBig6のシリンダーヘッドは大きく歪んでおり、プッシュロッドと取り付け部分の高さが全く違ってしまっている。

 仕方が無いので、一体成形となっているプッシュロッドカバー(円形の部分)を切り落とし、その台となる部分にハンダを盛り付けて修正した。とりあえず、オイルタンクが上部にきちんと組み込めるようにはなった。
   

 エンジンの修正ついでに、マグネトーカバーも修正。これは丸みの部分以外、エンジンのボルトを避ける窪みの位置や形状が全く違っていてエンジンにきちんと付かない。ハンダを盛って修正するが、ホワイトメタルが薄いため、熱で溶けないように慎重に作業を進める。
 
仮組みを始めてみると、まずフロントフォークの左右の形が違うのに驚かされる。左のフォークの先端部分約2cmほどが、後方に曲がってしまっているのだ! B-Rapideのガーダーフォークに替えてしまえば問題はないが、Big6はBlack Shadowに、RAEをB-Rapideにする予定(RAEの方がホワイトメタルの質が良いため、メタル部分の多いB-RapideをRAEにする)なので、曲げたりハンダを盛ったりして何とか修正する。

その後も、仮組みの写真を撮りながら、修正箇所を見つけては手を加える。タンクも 2mm ほど高さを低くした。
タイヤサイズとホイールベースはVincent社から正確な数値が出ているので、それに合う実車の真横からの写真を探しだし、それと仮組み写真とを比較する。ボルトの位置などポイントとなる部分から長さなどを比較してみると、だいたい大枠の形が取れてきたようだ。   
ただ、重い模型を自立させるには、ホワイトメタルのスイングアームは真鍮に置き換えたり、接合部分の強化を図るなど、まだまだ先は長そう…





04.29.

Vincent HRD  実車と模型

新型コロナ対策による在宅ワークにもやっと慣れてきました。最初は時間のやりくりができず仕事一辺倒になってしまいましたが、ようやく余裕が出来てきたので模型を作ります。そして、今までは備忘録的なブログでしたが今回は実車やキットについての説明もしていきます。
  
ヴィンセント社のモーターサイクルと言えば、このVincent  Black Shadow が最も有名。
   
模型のキットもこのモデルしかない。1948年に製造されたBlack Shadowは、1969年にHonda CB750が世に出るまで、世界最速のバイクであり続けたことが、人気の理由の1つかもしれない。(そのCB750 のタンク形状は、Vincent Black Shadowのそれに酷似している)

自分の知っている Black Shadowのキットは、1/18 SMTS、1/12 Matchbox(後Revellから再販)、1/9 MFH(2種類)、1/8 Big6、1/8 RAE がある。1/8 のRAEはBig6と同じものと日本の輸入代理店Make Upの記事に出ているが、後述するように実際には全く別の金型で作られている。

さて、この人気のBlack Shadowなのだが、いざ模型を作ろうとすると、どういうわけか違うヴァージョンにしようと思ってしまう。前回の1/12はRed Rapideと呼ばれるものにしてしまった。そして今回は、Black Shadow(SeriesBとSeriesCの両方がある)のもととなったSeries B にしようと思う。その写真がこれ。

Series B は、ほとんどが黒タンクであるが(MFHの1948年もそのモデル)、Vincent社の最初の構想では、Series Aと同じ黒に塗装していないステンレスのタンクであった。(1936年に出されたSeries A はこちら。美しい! エンジンはめっちゃ複雑 )


ところで、Black Shadowではタンクマークが Vincent になっているが、RapideではHRDとなっていた。(上部に小さくVincentと入っている)何が違うのか…

HRDは、1924年に、マン島TTレースで優勝したライダー、Howard Raymond Davis が立ち上げた英国の会社。しかし経営難となったため、1928年にPhilip Vincent が会社を買い取り社名がVincent HRDとなった。(下記の本を参照)また、その経緯はタンク上部のマークの変遷を見ても分かる。タンクマークは古い順に左から、HRDがメイン、Vincentがメイン、右ではHRDが無くなっている。HRDの名称を次第に無くしていったのは、HDがアメリカのHarley Davidsonを思い起こすからという理由らしい。


さて、キットに話しを戻すと、MFHから出ている1948年式はB-RapideのBlack Shadow仕様なので、これをステンレスタンクにするだけで、作ろうとしているものが作れそうだが、残念なことにMFHのタンクはメタル素材ではないので、ステンレスタンクとするのが難しい。
そこでタンクがホワイトメタルで出来ている Big6(Series C)を改造して作ろうというわけだ。

語り始めたついでに、RAEとBig6の模型がどのように違うか比較してみよう。
まずはタンク。(比較写真は左がRAE)レジンとメタルの違いだけではなく、RAEは長すぎる。実車の計測から1/8サイズにすると、BIg6の長さが丁度よい。(ちなみにBig6は、ヴィンセント オーナーズ クラブの会員のためにこの模型を作った)
ただ、Big6もタンク後部(シート側)の形状が絞られ過ぎ。また、フロントフォークはRAEが短いが、エキパイの長さは BIg6 は1.2cmも短い。実車にしたら 約10cmも短い!
 
エンジンも比較してみると、RAEが小ぶりであるだけでなく、左サイドの円形部分がRAEは丸に近く、BIg6は縦長。(ちなみに、1/9 MFHのキットは申し分ないのだが、この部分が完全な円形になってしまっている)また、右サイドのVincentのエンブレム位置が下にある。実車と比べると、RAEの大きさ、形状がほぼ正しいようだ。

部品構成で驚くほど違うのが、ハンドルとシリンダー。RAEのハンドルはメッキされているが、ほぼ一体成形。BIg6は、レバー類を全て実車通りに取り付ける仕様になっている。だが、ハンドルバーが太すぎる?? 
一方、シリンダーはRAEがフィンを1枚1枚積層し、上部もプッシュロッドカバーも別部品となっている。上部の形状や作りはRAEのものが断然に良い!


ただし、Big6の1体成形のエンジンフィンは、積層と遜色ないくらい深く、リアルなものとなっている。(次の写真で見比べても、それほど違いがない)
また、リムはBig6はアルミの挽き物で素晴らしい!これにスポークを張る仕様となっている。RAEはエッチングスポークを挟む仕様。制作する時は、別途リムを用意した方がよかもしれない。

  
その他、細かい点も上げれば、かなり違いがある。両方とも作りがいがあるので、同時進行し、RAEをBLack Shadowtとして仕上げることも考えなくはないが、ちょっと大変そう…

とりあえず、形状の大幅修正が必要そうなガソリンタンクを弄くってみた。
まずは、左右に分かれたタンクと、別部品になっているタンク後部の突き出る部分を、ハンダ付け。さらに前部と後部の形状が崩れているので、ハンダを盛って成形する。キットのホワイトメタルが分厚いので熱がなかなか伝わらず、時間がかかった。

ハンダを盛った後、ヤスリで成形。丸みが有り過ぎるのでサイドを平らに削り込み、さらに前方下部も丸みがあるので、平らに削る。ホワイトメタルを大きいヤスリでガシガシ削るのは結構勇気がいる。それでもやっと何となく形になってきた。

いつもは、フレームからバイク模型を作り始めるのだが、Vincentにはフレームがない。ガソリンタンクの下にオイルタンクがあるが、そこにフロントフォークとエンジンが吊る下がるように付く。さらにエンジンにリアのスイングアームが付くという特殊な形状。そこで、まずはタンクを作り、次にオイルタンク、エンジンと作っていくことになるわけだ。

総メタルのこのキット、完成すると1.3kgにもなります。さぁ、どうなることでしょう…



03.28.

完成

 
 
      
   
 
  
        

   

   









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