05.03.
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11.11.
ギアボックス・フェンダー修正
ギアボックスの取り付けは、実車同様、チェーンの緩みを調整できるよう可動式とする。
M1の六角ナットが足らないので、アドラーズネストの穴あき六角ナットをネジ切りタップを使って加工した。
エンジンを取り付けるステーもΦ3mmとΦ4mmの真鍮パイプを組み合わせて作る。
エンジンとステーとの間の「くの字」形のパネルはキットのもの。
それらをM1の六角ボルトとナットで留める。
リアサスの可動部を支えるステーを作るが、これは手工芸の「ネジ留めかしめ」を加工して作った。ネジ側の「かしめ」はネジ部分を削りとって円盤状の部品にし、受け側の「かしめ」を2つ合わせて筒状の部品を作った。また、マフラーを支えるステーを取り付け部分を付け足す。
上の円柱部品とリアサスを取り付ける部分に、さらにステーがあるので、真鍮棒を湾曲しているように削り、ネジを通す輪っかを半田づけして作成。
フレームの部品が大体できたので、全体の様子をみようとタイヤを当てて見たところ、なんとフロントタイヤの径が明らかに大き過ぎる!(写真左)このキットの完成品写真に真横からのものがほとんど無い理由はこれか!?
タイヤを代用すべく色々と探したが、1/9のキットでは見つからない。ほとんど諦めかけていたのだが、なんとレベルの1/8 Honda CB72の前輪が丁度よい感じであることを発見!これを代用することとした。ところが、当然のことだが今度はフェンダーが大き過ぎるし径が合わない。写真の赤部分のように加工しなければならない。(写真右)
キットのフロントフェンダーは、写真の一番左(橙色の丸)で分かるように途中から径を変えたかのように相当歪んでいる。そこで、赤ラインとなるよう途中に切れ目を入れて径を小さくすることとした。フェンダーが薄いのでホワイトメタルを溶かさないように温度調節しながら半田を盛っては削り…を繰り返して修正した。
径を無理やり変えたので、フェンダーの内側(赤丸部分)も外側も綺麗な円にはなっていない。まず、内側は丁度同じような径になるアルミ棒に紙ヤスリを巻きつけて修正した。外側は半田を盛ってからそれらを削りながら修正。さらに、フロントフォークに挟まれる部分の位置が変わるので、そこも削ったり半田を盛ったりしながら修正した(青丸部分)。最終的に写真右のように修正完了。
フェンダーが出来たところで、フェンダーを取り付けるステーがキットのままでは、写真左の赤丸のように部品が一体化しており可動できないことに気がついた。別に可動しなくたってよいし、面倒くさいのだが、折角なので実車と同じ構造になるように真鍮版で別部品を作り、可動できる構造に作り直した。
もちろんフェンダー側もボルト留めできるようにしないとフェンダー自体が可動できないので、こちらも真鍮版で加工。
これでやっと大枠の形ができあがってきた気がする。っが、先は長い…
10.02.
リアサスペンション & フレーム
リアサスの上部を真鍮棒と真鍮パイプで作る。さらに、バネを受けるステーを0.4mm真鍮板を折り曲げて作成。それらを半田付けし、バネが着く部分の形を整え、更に穴を開ける。
次にリアサスペンションの可動部を作る。Φ6mmの円盤にΦ2.6mm真鍮パイプのエッジを潰して円盤を半田付けできるように加工。半田付けの後、整形しΦ2mmの真鍮棒をステーとして挿入できるようにする。
可動部を取り付けてみてから気がついたのだが、リアフェンダーの取り付け部分(写真左の赤丸印)が可動部分側についていないと、構造上可動することができない。そこで、真鍮製のΦ6mmワッシャーがあったので、そこに真鍮板から三角形に切り出した部品を半田づけし、最初に作った部品に合うように加工して、これも半田付けする。
リアサスに可動部部を付ける形を円形に削り、新たに作った部品を取り付けてみる。キットでは緑丸印のようにがっつりと接着するように作られているが、M1の六角ナットとボルトで可動できるようにとりつける。
更に星型のナット(これがナットの役割をしていると初めて知った!飾りだと思っていた)をアルミ板を鉄ャスリで削りながら作る。僅かに湾曲しているので、ゴム板に乗せてビー玉を押し付けて加工。キットと比較すると、エッジもたっていい感じになった。
リアサス完成。
次にメインフレームに取り掛かる。
メインフレームは接合部分をΦ4mmの真鍮パイプで作り、フレーム自体はΦ3mmの真鍮パイプにする。(真鍮棒にすると半田付けをする時に熱が伝わりにくいので)
板に設計図(ってほどじゃないけれど)を描き、それに合わせて部品を設置。半田付けをする際には、Φ3mmのアルミ棒を挿入して(アルミは半田が着かないので)角度を調整し、さらに0.5mm厚の板を敷いて重しで(適当なものがないのでペンチで押さえた)固定する。
次にリアサスをメインフレームに取り付ける部分のステーを作る。0.4mm厚の真鍮版をペンチで折り曲げながら加工。リアサスを可動させるため、Φ2.6mm真鍮パイプを埋め込み整形する。
バネはキットのものを使用し、バネ両側の取り付け部分は真鍮棒を旋盤でひいて作る。また、2つのバネを支えるステーには、ギアチェンジの可動部を取り付ける部分があるので、真鍮パイプを輪切りにしたもので加工した。
以上でフレームの大枠が完成。組み立ててみる。
まだエンジンを載せるステーなども作らなくてはならないので嵌めこんであるだけ。
時間をかけただけあって、いい感じ。塗装するのが勿体ないと思ってしまう。
08.27.
リアフレーム・メインフレーム下部
リアのサスペンション構造は独特で面白い。キットは非常によく出来ているようだが、ホワイトメタルなので歪みが多く、修正は簡単だが柔らかいので強度に不安が残る。そこで、これも真鍮で作り直すことにした。ただ、最大の難関は車軸を留める部分。というのは、そこにステーが微妙に違った角度で取り付けられているから。
まず真鍮板を切り出し、車軸をはめる部分をU字形に曲げ真鍮パイプを半田づけすることにした。半田はアルミにはつかないので、アルミ板を敷いてU字で作った部品のセンターにつけられるように高さ調整をする。
そのあと、下部の部品を作りこれも半田付け。熱が伝わり折角つけた上部の部品がとれてしまいそうなので放熱用アルミクリップを使用して、さっと付ける。
真鍮パイプを全部で3本(緑:車軸アジャスター用、赤:上部ステー用 黄色:下部ステー用)着けなければならないのだが、左右の角度を揃えることはもちろん(写真左)、上から見たときに3本の角度が全部違っているのでそれを合わせなければならない(写真中)。
ちなみに、キットは下部ステーから車軸受けまでがほぼ一直線(上の緑線)なので、これだと車軸と直角にならない。
スタンドをつける部分も取り付け、やっとのことで2組完成。車軸のアジャスターは実際に調整可能にした。
実車ではリアサスペンションの前の部分は、かなり太めのステーなのだが、キットのものは細くて弱弱しい。そこでφ3mm真鍮棒とφ2.6mm真鍮パイプで加工して作り直す。真鍮パイプを使っているのは、フレーム本体と取り付ける時に可動できるようにするため。
φ2mmの真鍮棒とφ2.6mm真鍮パイプを組み合わせて組み付けていくが、真鍮パイプの端は取り付ける側の棒の丸みに合わせるようにアールをつけて(赤丸)削っておく。真鍮棒の端はΦ1mmになるように旋盤で加工し、穴に挿し込んで(青丸)組み合わせてからハンダ付け。
(写真右の後ろから見た状態で、緑:赤:黄の角度が違っているのが分かる)
ひとまず完成。作り始める前に最難関を思っていた部分が出来上がりひとまず安心。キットのものと比較すると高さが低くなっているが、これは実車がそうなっているため。
次にメインフレームの下部も重量に耐えて歪まないように作り直す。Φ2mm真鍮棒にΦ2.6mm真鍮パイプはリアと同じ。赤い部分は真鍮棒に真鍮パイプを通しておいてペンチで無理やり曲げた結果、傷だらけになってしまっているが、そこは半田を盛って修正する。
様々なステーを取り付けて完成。キットの部品は柔らかいだけでなく、合わせ目が出てしまうだが、真鍮棒などで作り直すと、真円で歪みのないフレームとなる。
08.17.
Brough Superior SS100 1/9 を作る
ついに Brough Superior SS100 着手。
「ついに」というのは、まだバイクをよく知らなかった頃に図鑑(写真右)で見て、何と魅力的なバイクなのだろうと思ってから数十年経っているからだ。
キットは初めてのモデルファクトリーヒロ(MFH)。非常に高価なキットなので、そのまま作ればよいと思っていたが、なかなかそうもいきそうにない。Broughのキットは2種類あるのだが、大きな違いは、マフラーを右側に2本出す(写真左)か、左右に1本ずつか。また、リアサスがあるかないか。
憧れた写真のモデルは、1930年製でマフラーは左右1本ずつだが、リアサスがある。このパターンはネット上で写真を拾おうとしても、ナンバープレートJO 1170 のこの1台しか見つけられない。う~む。この仕様に改造するかどうか悩むところ。
ちなみに MFH のSS100 右2本出しマフラーのモデルは、ナンバーがGW2275 なので1932年 A.ロレンスのモデルと思われるが、このモデルだとタンクは黒色。でも、メタルタンク仕上げの模型としている人が多いようです。
とりあえず、リアサス有り仕様で作り始め、最後にマフラーをどうするか考えることにした。ただ、左側にマフラーを出すとなるとオイルタンクの形状も変えなければならないんだけれどね。
さて、作り始めようとしてキットを見てみたが、フロントフォークの細さが気になる。柔らかいホワイトメタルでは、自重に耐えられずに曲がってしまう恐れがある。
このフロントフォークを真鍮で作り直すのは、非常に大変そうだが、とりあえずφ4mmの真鍮丸棒を削って作ってみることにする。
まずは粗い鉄ヤスリで四角く削り、段々と形を整えていく。
磨いて光に当てながら歪みを修正していく。真ん中の写真では先端近くが歪んでいる。
2本同じものを作り(1本に4時間もかかった!)キットの部品の下部と付け替える。
角度、車軸を合わせて、キット側のホワイトメタルを溶かしてしまわないように半田付け。接合部分の半田がキット側の3本ラインを溶かしてしまったので、半田を盛って修正する。
思ったよりも綺麗に出来上がりモチベーションアップ!
さらに上側にくるバネの入るフォークをφ2.6mmの真鍮パイプで作る。
フォークの先が曲がっているので、真鍮パイプのままだと綺麗に曲げられない。そこでパイプに2mmの銅丸棒を突っ込み半田付けしてから曲げる。その後、鉄ヤスリで整形。
次にバネが入る部分の切れ込みを開ける。0.4mmドリルで穴を連続して開けた後、それらを繋げていき、切れ込みを広げるという地道な作業。
この構造のフォークはキャッスルフォークと言ってHarleyのフォークをそのまま使ったらしい。
さらに作成した2本のフォークにキットのCastleの文字が入ったステーを移植する。
ホワイトメタルを溶かさないように半田付けし、接合部分を丁寧に削って整形する。
次にフォークのキャップを作る。キャッスルフォークの構造を知らなかったのだが、ネットで調べてみると、上側のフォークを上から差し込み、その後、キャップで留める構造になってる。キャップはφ3mmのステンレスパイプ。その蓋は真鍮丸棒を旋盤で削りだし、六角ナットをつける。さらに半田でメッキ加工した。
また、フォークの切れ込みも上部にまで拡大する。緑丸印の部分は、キャップを嵌めるための長さが足らなくなったため、2.6mm真鍮パイプを継ぎ足した部分。
更に、下側のフォークに可動式の接合部分を、φ1mmのネジで付け加える。
キットは上側フォークが分割式(しかも上部φ3mmと下部φ2.6mmと太さが違う)になっていたが、一体式に改造したことで可動可能となった。(バネはまだ作っていない)
ネジと極小六角ナットで組み上げてみると、なかなかいい感じ。
08.26.
完成
08.25.
タンクの塗装・ホーン
完成まで後ちょっとと思っていたが、ハンダを盛って作ったメタルタンクにどう塗装し、デカールを貼るかの試行錯誤にかなりの時間がかかった。
結局、メタルプライマーを吹き、一応、その上からサーフェーサーを吹き、銀で塗装してから自作のデカールを貼った。
その後、デカールの外周に沿って塗装を地道に剥がしていくという作業となった。
薄め液を綿棒に浸して大雑把に塗装を溶かした後、綿棒の軸を斜めに切って尖らせ、その先端でデカールとの境を綺麗に剥がしていく。
余分な塗装を取り除いた後、全体にクリアーを吹いてしまう。
メタルの部分から剥がれないようタンク全体をクリアーの層で覆って固めてしまう作戦だ。
かなり厚めのクリアー層ができたら、充分に乾かして、いつもの様に研ぎ出し作業をする。
これで結構どうにかなった。金属の光沢が若干鈍くなるのがちょっと残念。
作り忘れていたホーンをアルミ棒から削りだして作る。
キットのものは、形は良いのだが中心部が凹んでいない。
アドラーズの穴あきリベットを6つ打ち込み、中心に六角ボルトの丸ヘッドをつけて完成。
これで組み立てに入れる。
05.07.
組み立て
09.02.
レバー類・バッテリー・フューエルコック・チェーン・メーター
ブレーキやクラッチレバーをハンダを盛って作ることにした。
薄いホワイトメタルの切れ端に、メタルを溶かさないように低温でハンダを盛っていく。
ある程度、盛ったら鉄やすりでガシガシ削っていく。
途中、成形するのに盛りが足らない部分(赤丸)にハンダを付け足し(黄丸)、更に削っていく。1937年頃のレバーは非常に細長いので実車写真を見ながら形にしていく。
ハンドルに取り付けるステーもハンダ盛りで作成し、レバーを取り付ける部分は洋白板をハンダ付け。ところが、ハンドルに六角ボルトで取り付ける部分の位置が違うことに気がついた(赤丸)。ステーに対して垂直に2箇所ネジで留める部分を付け足した。(黄丸部分がその完成箇所)
チョークレバーは真鍮のワッシャーにハンダを盛ってお椀型の原型を作り、さらにレバー先端の球体を作れるようにハンダを盛る。全体を溶かさないように盛るのが難しい。
盛った後、鉄ヤスリで球体になるように大体成形し、紙ヤスリなどで形を整える。
ワイヤーの取り出し口を付けるのが難しいので、これもワッシャーに洋白線をハンダ付けして作成した。
ブレーキ、クラッチ、デコンプ レバーを作り、ハンドルバーに取り付けてみる。
時間をかけただけあって、なかなか良い感じ。
バッテリーボックスの本体は0.2mm厚の真鍮板を折り曲げて作成。留め金は洋白板。
バッテリーを固定する部分をわざわざ可動させる必要はないのだが、実車と同じ構造にするときちんとネジ留めができるように可動する。
六角ボルトを通してある円柱は直径1.5mm程度のアルミ棒だが、適当な径の素材がなかったので旋盤で作成。
バッテリーそのものも、もうちょっと加工しないとね。
フューエルコックには六角柱が使われているので、アルミ棒をヤスリで削って六角にする。
六角柱ができたら、穴を開けてコックとパイプが取り付けられるようにする。
小さな部品だが、仮組みしてみると旧車の雰囲気がいい感じで出てくる。
チェーンはいつものようにエッチングチェーンを組んでいく。
ただし今回はローラーを自作せず、タミヤの1/12のチェーンセットのローラーを使用した。
(ローラーだけを2台分オークションで出品していた人がいたので落札。誰も他に入札しなかった笑)
チェーンを組む時に使用するのは志賀昆虫の虫ピン。昆虫針4号(直径約0.5mm)を使用するが、ピンの頭が丸くて大きいので、面倒ではあるが1本ずつルーターに咥えて削る(黄丸)。
ピンを通したら、ペンチ(100円ショップなどでいい加減にできていて、支点の近くに隙間があるもの)の根元で押しつぶす。(虫ピンは硬いので叩いてかしめることができないから)
潰した後、その部分をルーターで削っていくが、チェーンのコマが外れないように突起を残して削る(オレンジ丸)。最終的に角は落とす。
写真左が虫ピンの頭側。その右隣がルーターで削った側。
今回、既製品のローラーなので、チェーンが全くよれずに真っ直ぐに組み上がった。当たり前だがローラーも美しい。
スプロケは、キットの歯をローラーに合わせて削るだけでピッタリに出来上がった。
ただし、プラのスプロケは厚みが足らないので、チェーンちょっとだけ捻れてしまう。
タンクの上部にあるメーター、スイッチ類に取り掛かる。
一番上から、パネルライトスイッチ、左がアンメーター、右はオイルゲージメーター、下がライトスイッチとなっている。
メーターとスイッチのベース部分はアルミ棒から旋盤で削り出し、ライトスイッチは、真鍮棒にハンダで突起部分を付け足した。
スイッチ類を付ける菱形のベースは1mm厚のプラ板。これをタンクの曲面に合わせて作成。
ハンダを盛って作ったタンクの下面は、0.6mmアルミ板で作成し、ゼリー状瞬間接着剤で取り付けた。
01.21.
シート・フェンダーステー・スタンド・エンジン
中央が膨らんだシート用のバネを作る。丸木を削って中央を膨らませた型を作り、そこに0.8mm洋白線を巻いていく。巻き終わったら真ん中でポキッと折り、型にした木を取り除く。その後、成形してバネの出来上がり。フレームに留める部分はM1.6のネジをハンダ付けした。
キットのシートは非常に良い形をしているが、高さが少しだけ足らないので、0.4mm厚のアルミ板を足した。黒革を張り、留めネジを埋め込んでシートの出来上がり。
リアフェンダーステーに、グリップとマフラーのステーを取り付ける部分を作るため、ステーそのものを真鍮線で作り直す。真鍮の先はニッパの付け根で潰し、ハンダを盛ってから整形し、フレームに六角ボルトで留められようにする。(フロントステーは0.2mm厚の真鍮版を付け加えた)プラスチックのフェンダーに直接真鍮のステーをボルト留めするのは強度が心配なので、フェンダーに取り付ける部分は真鍮版をハンダ付けした。
さらに、ステーの途中に0.8mm真鍮パイプをハンダ付けし、グリップを取り付けられるようにする。
ホワイトメタルのエンジンとタンクでかなり重くなっているので、車体をしっかり支えるためにスタンドを3mm真鍮棒で作り直す。フレームとの接触部分とバネを引掛ける部分なんて目立つところではないけれど、実車同様に作った。
チェーン引きのボルトが取り付けられるように加工したフレームに、以上の部品を組み込んでみた。
フレーム関係の修正が終わったので、エンジン細部に取り掛かる。
まず、シリンダーをボルト留めできるようにし、さらにプッシュロッドとオイルパイプを自作する。プッシュロッドはΦ1.8mmとなる計算だが、丁度よい素材が無かったため、以前に作ったVincentのフェンダーステーの余りを利用した。
オイルパイプは0.8mm洋白線。オイルパイプが外側を這い回っているエンジンは、ヴィンテージバイクの魅力の1つ。
次にマグネトーを取り付ける留め金を真鍮版で自作する。六角ボルトを通す部分はΦ1.5mmほどのアルミ棒。
マグネトーについている様々な細かい部品も真鍮で自作。
エンジンに取り付けてみたら、留め金を合わせる部分がキャブと干渉したので修正する。
エンジン右のカバーもキットのものではネジ穴の位置が内側過ぎるのでアルミ棒から削り出し、プラスネジを埋め込む。
エンジンに細かい部品を取り付けてみると、なかなかいい感じ。
外装以外を組み込む。
さらに大まかな外装も取り付けてみる。
だんだん完成に近づいてきた。
10.10.
リム・ハンドル・キャスター角変更・キャブ・オイルタンク
キットのタイヤは軍用をそのまま転用しているためかタイヤ幅(横幅ではなく高さ)があり過ぎるので、前輪はプロターのキットから流用。後輪は、いくつかのタイヤを試したが、結局、キットのタイヤの横幅を広げることで(つまり偏平率を変えて)高さを少し低くし、そのまま使うことにした。
タイヤまで出来上がったので、仮組してみたが何かが妙…
フロントフォークが寝すぎている(キャスター角が大きすぎる)のだった。最初に実車写真とキットの仮組を合わせた時に、フレーム修正の必要なしと思っていたが、実は前輪が若干ずれており実際にはキャスター角度が違っていたのだった。仕方がないので、フレーム修正に入るが、エンジンを搭載するステーはもう作り直してしまったので今更変えたくないから、ダウンチューブは弄らない。ダウンチューブの取り付け部分を強引に曲げて(どうせタンクに隠れて見えなくなる)角度を2度ほど修正した。写真黒線が修正前の角度。赤線が変更する角度。たった2度でも随分印象が違う。
ガーダーフォークのスプリングは、キットのものは余りにも細すぎるので、径1mmの洋白線を手巻きで自作。とは言え、中央が膨らんだスプリングを自作するのは難しい。鉛筆の先に洋白線を半分まで巻き付けた後、洋白線を90度折り曲げて残り半分を別途作成してから、元に戻して形を整えた。(この説明では分かりにくいですね)
洋白線のバネは手頃な跳ね返り感があり、六角ボルトとナットで組み立てたガーダーフォークは実車のように可動して気持ちよい。
拘り癖が出てきたので、気になっていたエンジンヘッド上部も修正する。まずは、エキパイの取り付け口の角度を修正し、さらに、その上部にちょっとだけあるフィンも再現する。パテを盛ったところは、カッターで切れ込みを入れて、パッと見でフィンらしくするが、エンジンヘッドのサイドにあるフィンは真鍮板で付け足した。
また、インテークマニフォールドが、軍用3HWではエンジンのほぼ真後ろを向いている(埃を吸いにくくするため?)のだが、3HやTiger80では外側を向いていてキャブが吸気しやすい(多分)ようになっている。しかも若干上を向いているので、そのように修正した。更にヘッドを留めるネジ穴も付け足した。
エンジンとフレームの間にあるステーを真鍮線と真鍮パイプで自作。3Hとはエンジンヘッドの形状が違うだけではなく、取り付ける場所も違うので、ダウンチューブ側の取り付け位置も上方に修正した。
次にキャブレーターも修正。キットのものをホワイトメタルでキャスティングしてあるが、キャブの縦の長さが短いため、かなり小さく見えてしまうので、上部にアルミ棒を加工した部品を付け足した。さらにエアファンネルもアルミ棒を旋盤で加工。また、フローターがキャブ本体と同じ様に地面に対して垂直になるよう作られていたが、インテークマニフォールドの角度を上向きにしたため、そのままではフロータが斜めになってしまう。そこで、取り付け部分を斜めになるように加工し、ネジ類も追加した。
オイルタンクのキャップは、中央に取っ手(?)となる部分を残すようにアルミ棒を鉄ヤスリで削り、その後、旋盤で形を整える。オイルタンク側は5mmのアルミ棒で入口を作った。
ハンドルバーは、径2.5mmのステンレス線を曲げて作る。2.5mmのステンレス線は、スロットカーのタイヤ軸用というものを購入してみた。1937年Tiger80のハンドル形状は、いくつもの写真を見ても、それぞれ違っていてどれがオリジナルだか分からない。少なくてもキット(赤)の形ではないことだけは確か。仕方がないので、いくつか作ってみて、良さそうのなものを使うことにした。
まぁまぁ、よいかなと思ったのが次の写真のもの。
ところが1937年のSpeed Twinのオリジナルとしているいくつかの写真では、ほとんど同じ形状をしており、その後のTiger100までほぼ同じ形状が使われているらしいと気が付いたので、再度作り直した。ステンレスが固くて、曲がり方がちょっと鋭角になってしまったが、まぁ、こんなものか。
キットのハンドルバーを装着した写真と比べてみると相当違うことが分かる。
特に、上部から全体を見てみると、キットのハンドルを装着するとフロント周辺がヘラ鹿のように見えてしまう(ハンドルが後ろ過ぎる)。これも軍用仕様のためか?
真横から見た形状としては、そこそこ満足の行く状態にまでなってきた。
それでも前タイヤの径が変わった分、フロントフェンダーをもう少し修正する必要がありそう。
キットのサドルもいい形をしているのだけれど、高さが足らないから、これも自作か…
まだまだ先は長い。