05.04.
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08.26.
完成
08.25.
タンクの塗装・ホーン
完成まで後ちょっとと思っていたが、ハンダを盛って作ったメタルタンクにどう塗装し、デカールを貼るかの試行錯誤にかなりの時間がかかった。
結局、メタルプライマーを吹き、一応、その上からサーフェーサーを吹き、銀で塗装してから自作のデカールを貼った。
その後、デカールの外周に沿って塗装を地道に剥がしていくという作業となった。
薄め液を綿棒に浸して大雑把に塗装を溶かした後、綿棒の軸を斜めに切って尖らせ、その先端でデカールとの境を綺麗に剥がしていく。
余分な塗装を取り除いた後、全体にクリアーを吹いてしまう。
メタルの部分から剥がれないようタンク全体をクリアーの層で覆って固めてしまう作戦だ。
かなり厚めのクリアー層ができたら、充分に乾かして、いつもの様に研ぎ出し作業をする。
これで結構どうにかなった。金属の光沢が若干鈍くなるのがちょっと残念。
作り忘れていたホーンをアルミ棒から削りだして作る。
キットのものは、形は良いのだが中心部が凹んでいない。
アドラーズの穴あきリベットを6つ打ち込み、中心に六角ボルトの丸ヘッドをつけて完成。
これで組み立てに入れる。
05.07.
組み立て
09.02.
レバー類・バッテリー・フューエルコック・チェーン・メーター
ブレーキやクラッチレバーをハンダを盛って作ることにした。
薄いホワイトメタルの切れ端に、メタルを溶かさないように低温でハンダを盛っていく。
ある程度、盛ったら鉄やすりでガシガシ削っていく。
途中、成形するのに盛りが足らない部分(赤丸)にハンダを付け足し(黄丸)、更に削っていく。1937年頃のレバーは非常に細長いので実車写真を見ながら形にしていく。
ハンドルに取り付けるステーもハンダ盛りで作成し、レバーを取り付ける部分は洋白板をハンダ付け。ところが、ハンドルに六角ボルトで取り付ける部分の位置が違うことに気がついた(赤丸)。ステーに対して垂直に2箇所ネジで留める部分を付け足した。(黄丸部分がその完成箇所)
チョークレバーは真鍮のワッシャーにハンダを盛ってお椀型の原型を作り、さらにレバー先端の球体を作れるようにハンダを盛る。全体を溶かさないように盛るのが難しい。
盛った後、鉄ヤスリで球体になるように大体成形し、紙ヤスリなどで形を整える。
ワイヤーの取り出し口を付けるのが難しいので、これもワッシャーに洋白線をハンダ付けして作成した。
ブレーキ、クラッチ、デコンプ レバーを作り、ハンドルバーに取り付けてみる。
時間をかけただけあって、なかなか良い感じ。
バッテリーボックスの本体は0.2mm厚の真鍮板を折り曲げて作成。留め金は洋白板。
バッテリーを固定する部分をわざわざ可動させる必要はないのだが、実車と同じ構造にするときちんとネジ留めができるように可動する。
六角ボルトを通してある円柱は直径1.5mm程度のアルミ棒だが、適当な径の素材がなかったので旋盤で作成。
バッテリーそのものも、もうちょっと加工しないとね。
フューエルコックには六角柱が使われているので、アルミ棒をヤスリで削って六角にする。
六角柱ができたら、穴を開けてコックとパイプが取り付けられるようにする。
小さな部品だが、仮組みしてみると旧車の雰囲気がいい感じで出てくる。
チェーンはいつものようにエッチングチェーンを組んでいく。
ただし今回はローラーを自作せず、タミヤの1/12のチェーンセットのローラーを使用した。
(ローラーだけを2台分オークションで出品していた人がいたので落札。誰も他に入札しなかった笑)
チェーンを組む時に使用するのは志賀昆虫の虫ピン。昆虫針4号(直径約0.5mm)を使用するが、ピンの頭が丸くて大きいので、面倒ではあるが1本ずつルーターに咥えて削る(黄丸)。
ピンを通したら、ペンチ(100円ショップなどでいい加減にできていて、支点の近くに隙間があるもの)の根元で押しつぶす。(虫ピンは硬いので叩いてかしめることができないから)
潰した後、その部分をルーターで削っていくが、チェーンのコマが外れないように突起を残して削る(オレンジ丸)。最終的に角は落とす。
写真左が虫ピンの頭側。その右隣がルーターで削った側。
今回、既製品のローラーなので、チェーンが全くよれずに真っ直ぐに組み上がった。当たり前だがローラーも美しい。
スプロケは、キットの歯をローラーに合わせて削るだけでピッタリに出来上がった。
ただし、プラのスプロケは厚みが足らないので、チェーンちょっとだけ捻れてしまう。
タンクの上部にあるメーター、スイッチ類に取り掛かる。
一番上から、パネルライトスイッチ、左がアンメーター、右はオイルゲージメーター、下がライトスイッチとなっている。
メーターとスイッチのベース部分はアルミ棒から旋盤で削り出し、ライトスイッチは、真鍮棒にハンダで突起部分を付け足した。
スイッチ類を付ける菱形のベースは1mm厚のプラ板。これをタンクの曲面に合わせて作成。
ハンダを盛って作ったタンクの下面は、0.6mmアルミ板で作成し、ゼリー状瞬間接着剤で取り付けた。
01.21.
シート・フェンダーステー・スタンド・エンジン
中央が膨らんだシート用のバネを作る。丸木を削って中央を膨らませた型を作り、そこに0.8mm洋白線を巻いていく。巻き終わったら真ん中でポキッと折り、型にした木を取り除く。その後、成形してバネの出来上がり。フレームに留める部分はM1.6のネジをハンダ付けした。
キットのシートは非常に良い形をしているが、高さが少しだけ足らないので、0.4mm厚のアルミ板を足した。黒革を張り、留めネジを埋め込んでシートの出来上がり。
リアフェンダーステーに、グリップとマフラーのステーを取り付ける部分を作るため、ステーそのものを真鍮線で作り直す。真鍮の先はニッパの付け根で潰し、ハンダを盛ってから整形し、フレームに六角ボルトで留められようにする。(フロントステーは0.2mm厚の真鍮版を付け加えた)プラスチックのフェンダーに直接真鍮のステーをボルト留めするのは強度が心配なので、フェンダーに取り付ける部分は真鍮版をハンダ付けした。
さらに、ステーの途中に0.8mm真鍮パイプをハンダ付けし、グリップを取り付けられるようにする。
ホワイトメタルのエンジンとタンクでかなり重くなっているので、車体をしっかり支えるためにスタンドを3mm真鍮棒で作り直す。フレームとの接触部分とバネを引掛ける部分なんて目立つところではないけれど、実車同様に作った。
チェーン引きのボルトが取り付けられるように加工したフレームに、以上の部品を組み込んでみた。
フレーム関係の修正が終わったので、エンジン細部に取り掛かる。
まず、シリンダーをボルト留めできるようにし、さらにプッシュロッドとオイルパイプを自作する。プッシュロッドはΦ1.8mmとなる計算だが、丁度よい素材が無かったため、以前に作ったVincentのフェンダーステーの余りを利用した。
オイルパイプは0.8mm洋白線。オイルパイプが外側を這い回っているエンジンは、ヴィンテージバイクの魅力の1つ。
次にマグネトーを取り付ける留め金を真鍮版で自作する。六角ボルトを通す部分はΦ1.5mmほどのアルミ棒。
マグネトーについている様々な細かい部品も真鍮で自作。
エンジンに取り付けてみたら、留め金を合わせる部分がキャブと干渉したので修正する。
エンジン右のカバーもキットのものではネジ穴の位置が内側過ぎるのでアルミ棒から削り出し、プラスネジを埋め込む。
エンジンに細かい部品を取り付けてみると、なかなかいい感じ。
外装以外を組み込む。
さらに大まかな外装も取り付けてみる。
だんだん完成に近づいてきた。
10.10.
リム・ハンドル・キャスター角変更・キャブ・オイルタンク
キットのタイヤは軍用をそのまま転用しているためかタイヤ幅(横幅ではなく高さ)があり過ぎるので、前輪はプロターのキットから流用。後輪は、いくつかのタイヤを試したが、結局、キットのタイヤの横幅を広げることで(つまり偏平率を変えて)高さを少し低くし、そのまま使うことにした。
タイヤまで出来上がったので、仮組してみたが何かが妙…
フロントフォークが寝すぎている(キャスター角が大きすぎる)のだった。最初に実車写真とキットの仮組を合わせた時に、フレーム修正の必要なしと思っていたが、実は前輪が若干ずれており実際にはキャスター角度が違っていたのだった。仕方がないので、フレーム修正に入るが、エンジンを搭載するステーはもう作り直してしまったので今更変えたくないから、ダウンチューブは弄らない。ダウンチューブの取り付け部分を強引に曲げて(どうせタンクに隠れて見えなくなる)角度を2度ほど修正した。写真黒線が修正前の角度。赤線が変更する角度。たった2度でも随分印象が違う。
ガーダーフォークのスプリングは、キットのものは余りにも細すぎるので、径1mmの洋白線を手巻きで自作。とは言え、中央が膨らんだスプリングを自作するのは難しい。鉛筆の先に洋白線を半分まで巻き付けた後、洋白線を90度折り曲げて残り半分を別途作成してから、元に戻して形を整えた。(この説明では分かりにくいですね)
洋白線のバネは手頃な跳ね返り感があり、六角ボルトとナットで組み立てたガーダーフォークは実車のように可動して気持ちよい。
拘り癖が出てきたので、気になっていたエンジンヘッド上部も修正する。まずは、エキパイの取り付け口の角度を修正し、さらに、その上部にちょっとだけあるフィンも再現する。パテを盛ったところは、カッターで切れ込みを入れて、パッと見でフィンらしくするが、エンジンヘッドのサイドにあるフィンは真鍮板で付け足した。
また、インテークマニフォールドが、軍用3HWではエンジンのほぼ真後ろを向いている(埃を吸いにくくするため?)のだが、3HやTiger80では外側を向いていてキャブが吸気しやすい(多分)ようになっている。しかも若干上を向いているので、そのように修正した。更にヘッドを留めるネジ穴も付け足した。
エンジンとフレームの間にあるステーを真鍮線と真鍮パイプで自作。3Hとはエンジンヘッドの形状が違うだけではなく、取り付ける場所も違うので、ダウンチューブ側の取り付け位置も上方に修正した。
次にキャブレーターも修正。キットのものをホワイトメタルでキャスティングしてあるが、キャブの縦の長さが短いため、かなり小さく見えてしまうので、上部にアルミ棒を加工した部品を付け足した。さらにエアファンネルもアルミ棒を旋盤で加工。また、フローターがキャブ本体と同じ様に地面に対して垂直になるよう作られていたが、インテークマニフォールドの角度を上向きにしたため、そのままではフロータが斜めになってしまう。そこで、取り付け部分を斜めになるように加工し、ネジ類も追加した。
オイルタンクのキャップは、中央に取っ手(?)となる部分を残すようにアルミ棒を鉄ヤスリで削り、その後、旋盤で形を整える。オイルタンク側は5mmのアルミ棒で入口を作った。
ハンドルバーは、径2.5mmのステンレス線を曲げて作る。2.5mmのステンレス線は、スロットカーのタイヤ軸用というものを購入してみた。1937年Tiger80のハンドル形状は、いくつもの写真を見ても、それぞれ違っていてどれがオリジナルだか分からない。少なくてもキット(赤)の形ではないことだけは確か。仕方がないので、いくつか作ってみて、良さそうのなものを使うことにした。
まぁまぁ、よいかなと思ったのが次の写真のもの。
ところが1937年のSpeed Twinのオリジナルとしているいくつかの写真では、ほとんど同じ形状をしており、その後のTiger100までほぼ同じ形状が使われているらしいと気が付いたので、再度作り直した。ステンレスが固くて、曲がり方がちょっと鋭角になってしまったが、まぁ、こんなものか。
キットのハンドルバーを装着した写真と比べてみると相当違うことが分かる。
特に、上部から全体を見てみると、キットのハンドルを装着するとフロント周辺がヘラ鹿のように見えてしまう(ハンドルが後ろ過ぎる)。これも軍用仕様のためか?
真横から見た形状としては、そこそこ満足の行く状態にまでなってきた。
それでも前タイヤの径が変わった分、フロントフェンダーをもう少し修正する必要がありそう。
キットのサドルもいい形をしているのだけれど、高さが足らないから、これも自作か…
まだまだ先は長い。
09.04.
メタルに置き換え
ギアボックスもそれなりの重量があるので、こちらもアルミ板で作り直し、また、エンジンフレームとの間の調整ネジも実際に調整できるようにした。
問題なのがメッキのタンクだ。メタルをキャスティングする技術がないため、塗装するしかないと考えていたが、デカールも貼らなくてはならないし、何といってもメッキの感じが塗装では全く出せない。これが鬼門となって作りたくてもこのキットに手が出せなかったと言っても過言ではない。
ところが、前回作ったVincentで部品の多くを他の金属に置き換えたことで沢山のホワイトメタルパーツが残っていることを思い出した。それらをハンダごてで溶接しながらタンクは作れないものか??
まずは実験!熱を冷まさないように次から次へとパーツを溶かしては盛り上げていく。気がつけば15時間。ホワイトメタルのタンクが完成した。残念なのは実験と思って始めたものが調子が良かったため一気に作ってしまい、制作過程を写真に撮り忘れていたこと。まぁ、仕方ない。内側の写真を見ると、メタルをぐちゃぐちゃと溶かして成形した痕跡が分かる。
次にエキパイを直径5mmのアルミ棒を手曲げで作る。
以前は、ペンチの端を丸く削ったものに挟んで強引に曲げていたが、今回はミニバイスを使用してみた。曲げる方向を定めるのが難しいが力はそれほど必要ないし微調整も楽だった。綺麗な仕上がりにならなくてもよいサンプルを作り、だいたいの角度や調整が必要な部分を確認してから、もう1つを丁寧に作る。
エキパイできたので、今度はマフラー部分を旋盤で削りだす。
なかなかよいぞ!と思って仮組みしてみたらマフラー部分が細い気がする。いろいろな動画を見ても、どうももう一回り太いものが正解のようだ。どうやら作る時に参考にした写真のマフラーだけが細かったようだ。仕方ないので作り直す。直径8約8.5mmから10mmへ。マフラー部の長さをちょっと短くし、エッジの丸みも少し強調した。
ライトハウスもアルミ棒から削りだす。後方の形状が丸すぎるので、ちょっとだけシャープに尖らせる。内側も綺麗に反射するようになって満足だが、その重みにプラのステーが耐えられるかが心配。結局、フレームも真鍮で作り直すなんてなると大変なので、それは止めておこうとは思うが…
課題だったメッキパーツをメタルに置き換えたが、まだまだ先は長い。
08.22.
Triumph Tiger80 1937 1/9
さて、Tiger 80 は、トライアンフ社に移籍してきたエドワード=ターナーによる洗練されたデザインで、それまでのモデルに、エンジン上部シリンダーヘッド、マフラー、ハンドル形状の変更をほどこし、メッキパーツも多様されている。Tiger 80(350㏄)は、スポーツモデルということで1937 年に発売されたが、翌年にそのツーリングモデルとして 発売されたのが 3H だ。(ちなみに2H(250cc)・5H(500cc)はそれぞれTiger70・Tiger90に対応)
Tiger80は 3Hと比べて、メーターなどの計器類はタンク上部に設置され、マフラーはアップになっており、いかにもスポーツモデルらしい。
マフラーはアルミ棒で置き換えることにするが、シリンダーヘッドの修正は少々困難だ。というのは正確な形状が分かる写真が無いからなのだが、eBAYでシリンダーヘッドが出品されているのを見つけ、やっと正確な形状が分かったので今回制作に踏み出すことにした。
Esciのキットはほぼ正確なので、安心して仮組みをしていく。フレームの形状・長さは、実車写真と合成してみてもピッタリ! ただ残念なことに、軍用タイヤのままなので、これではスポーツタイプにならない。とりあえず他のプロターのキットから適当なものを仮組みしてみた。
タイヤさえ替えれば、ほとんどそのまま組めるかと思ったが、エンジンが垂直につかないし、ギアーボックスも前上がりになってしまう。仕方ないのでステーを作り直す。仮組みのやり直しがきくように今回も六角ボルトとナットで留める。またタンク上部が平ら過ぎるので軽くパテ盛りし、ライトハウスも軍用のままでスイッチやメーターが付く仕様となってしまっているので、それらを削り取る。
細かいことだが、フロントフェンダーのフォーク部分の逃げ幅が広すぎるので、そこも修正する。
そして、シリンダーヘッドの修正。
オーナーズマニュアルを読むと、基本的構造は3Hと変わらないため、キットを削ったりパテを盛ったりして修正する。
シリンダーヘッドにつく金属版は、アルミ板で自作。取り付け口は真鍮パイプを埋め込んで作成。ロッドは丁度よい太さのものがないので、先のVincentのフェンダーステーを加工した。
いい感じで出来てきたが、クロームメッキのタンクが問題。
キットのタンクをメッキ塗装してみたが、全く感じが出ない… どうするか…